ニセコだより

北海道のニセコから、春夏秋はクライミング、冬はバックカントリーを中心に、最新のアウトドア情報を発信します。

 
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クライミング事故報告


私のグループで、事故を起こしました。
今回の事故は、ビレイミスで、岩場や当該ルートが要因では無い事から、個人名と岩場やルート名称は、伏せさせて頂きます。

■日付、天候、岩の状態
5月13日(金)
前日から当日朝までの風雨の影響で、普段より広範囲で濡れていたが、全然登れない程でもなく、私達のグループ5名を含め、3グループ15名程が、「濡れてるぅ、湿ってるぅ!」等、ぼやきつつも、登攀。

■事故の概要
クライマーは、リードクライミング歴2年目。
最高RPグレード5.10b(今季更新)で、今季三回目の岩。
ビレイヤーは、クライミング歴10年。最高RPグレード5.11a(今季更新)。
トラッド、ボルダーとジャンルを問わず、経験あり。
ウォームアップとして、一般的に使われる、グレード5.9高さ7m中間支点3本のルートをリード登攀開始。
濡れて、滑り易く苦労しつつも、終了点が右頭上の高さまで登り、クリップ体勢に入る為、左手で掴んだ濡れたホールドを右手でも掴もうと試みるも、墜落。
この時、ビレイヤーは終了点付近に到達したのを目視した為、すぐにクリップするだろうと思い、ロープを1m繰り出していた最中。
最終支点は、墜落位置から1.5m程足下であったが、完全に6mをフリーフォール。
不幸中の幸いで、土の地面に足から着地。
その衝撃で後ろにひっくり返り、腰→頭の順番で地面にぶつかるも、転がっている大小の岩すべてをかわす事ができた。

■事故の経緯
10:30 当該ルートにて、リードクライミングで、ウォームアップ開始。
10:40 墜落、にグランドフォール事故発生
10:45意識正常。頸椎正常。出血、外傷無し。
腰に鈍痛を訴えたので、居合わせたクライマーの協力の下、テントマットとエマージェンシーシートにくるみ、車の後部座席と荷台をフラットにし、運び入れる。
整形外科のある、負傷者の最寄り病院に連絡し、予約。
11:20搬送開始
12:45 病院到着。病院側は、車椅子と考えていたが、動かせないので、ストレッチャーを希望。
診察受け付け。怪我人の関係者に連絡。
13:00 レントゲンとCTスキャン検査、痛み止めの注射。
第一腰椎の破裂骨折。神経に触れそうなので、絶対安静。一週間の入院と、コルセットの作製が必要。
15:30 負傷者の自宅と職場で必要な物を集める。
17:00 負傷者に渡し、解散。

■クライマーの証言
濡れている事は分かっていて、普段より苦労した。終了点手前でスリップし、気づいたら地面に落ちていたので、びっくりするのと同時に、「あー!やってしまった」とっさに思ったとの事。
ビレイヤーの事は、完全に、信頼していた。

■ビレイヤーの証言
いつも通りにビレイしていたが、ビレイ位置からは、終了点付近でのクライマーの動きは完全に見えておらず、すぐにクリップすると判断し、ロープを繰り出している最中、自分の左側を通過しようとした人が、滑って転んだのを目視。
ほぼ同じタイミングで、クライマーが自分の後ろに落ちた音に気づいて、振り返る(=墜落の瞬間は見ていない)。
クライマーが地面に転がっている姿を見て、「なんで!?」と思ったとの事。
アップルートと、言う事からの油断。
自分は、今まで大きなビレイミスをした事が無いと、ビレイ技術には自信があった、と本人談。

■事故の考察
・直接要因は、ロープの出過ぎであったと思われますが、実施検証はしておらず、次回来訪時に行います。
・間接的要因は、
①濡れた岩の不確実性。確実に難しくなり、スリップで不意に落ちる可能性増大。
②目視の不十分。
立ち位置からは、クライマーの動きを把握できていなかった事から、クリップ体勢に入る前に、するだろうとの思いこみから、1m程ロープを繰り出した。
③終了点付近=安全な状態との誤解。
終了点付近と言えど、墜落開始地点は6m。
通常のルートでは中間支点2~3番目に相当し、最もロープの出具合を慎重にすべき高さであった。
④横で転んだ人に目が行ってしまった。ビレイ中は、クライマーの動きを常に注視する事が基本だが、大きな物音に、目が向くのは当然と言えるので、不幸が重なった。

■事故における反省点
①基本手順
いくら繰り出しすぎたとは言え、中間支点に抵抗が一切かからなかったのは、そもそもロープを出しすぎるビレイであった可能性が高い。
②気の緩み
アップルートで落ちる事は無いだろうとの思いこみ。
③ヘルメット
今回の墜落で、クライマーの頭部が無事であったことは奇跡。
実際に、墜落地点の周辺には多数の岩が落ちていた。
頭部からの墜落でなくても、転んだ場所に小石があるだけで、致命的な結果を招くことは充分。
クライマーだけでなく、ビレイヤーにもヘルメットの着用を強くお勧めします。

■事故の総括
高さ6mからの、完全なグラウンドフォール事故にも関わらず、負傷者が致命的な事態に陥らなかったのは、非常に幸運であった。
しかし、「奇跡は、二度起きない」
改めて、クライミングの不確実性を、痛感しました。
どんなに注意しても、避けられなかったり、防ぐ事が出来ない事象がある事も事実ですが、そこに逃げず、常に最新で細心最善の方法を用いて、安全性を高める努力をするように、仲間同士で今一度、確認と検証を行います。

最後に、負傷したクライマーは、回復と復帰に意欲的である事をお伝えします。

居合わせて色々とご尽力頂いた皆さまに、心からの謝罪と感謝を申し上げます。
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