ニセコだより

北海道のニセコから、春夏秋はクライミング、冬はバックカントリーを中心に、最新のアウトドア情報を発信します。

 
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2013.2.6羊蹄山「テラスの沢」雪崩事故、救助者から頂いた報告書

2013.2.18に当方ブログにて投稿した『2013.2.6羊蹄山「テラスの沢」雪崩事故について』
をご覧頂いた、当日救助の先導をして頂いた方から、
当日の状況報告書と写真を頂きました。

一人でも多くの、冬山愛好家の意識や行動を深める為に、大変貴重な記録として
当ブログにての転載を快諾頂きましたので、以下転載します。

当日、救助に当たった方は、他の市町村で消防士をされております。

救助者は、当日、テラスの沢の西側の尾根を使い約1600mまで登り、同ルートをスノーボードで滑走降下、1200m付近から東へ進路を取りテラスの沢の急傾斜部分を避け、テラスの上をかすめる形でトラバースしていたところ雪崩の痕跡の発見し、現場へ向かったとの事。

なお、標高1400m付近で雪崩のハンドテストをしたところ、50cm下で肘で破断していましたので非常に危険な状況であったと推測されます。

JANのサイトでも速報が出ています。→こちら


それでは、以下、転載致します

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平成25年2月6日 羊蹄山真狩コーステラスの沢における雪崩の時系列

12:40(推定) 
標高1150m付近テラスの沢にて雪崩の痕跡を発見
雪崩発見時
谷方向で叫び声が聞こえたためデブリ上をスノーボードで滑走して降下する。

12:41(推定)
標高1040m付近テラス中央で白人男性2名を発見及び接触する。
遭難者と接触直後
1名は地面で仰臥位(以下「A」とする。)であり、1名は立位(以下「B」とする。)である。
Aは下半身が雪中に約50cm埋没した形跡があるが、既に掘り出されており両下肢に明らかな変形が認められる。Aは苦悶の表情で叫んでいるが英語であるため何を言っているのかは不明
Bは私に「Bonebroken」と言いながら右大腿部及び左脛部を指す。
私はBにパーティーが2名であることを確認する。

12:43
119番通報を実施(入電消防本部不明)し、以下のことを伝達する。

①雪崩による遭難者2名を発見し、内1名は右大腿部及び左脛部に骨折がある。
②パーティーは2名である。
③GPSに表示されている標高、北緯、東経

通話中に電話が切れる。

12:46
再度119番通報を実施(入電消防本部不明)するが、先程入電した消防本部とは別の消防本部に入電したようであるため、同じことを説明する。


13:02

再度119番へ電話をかけ、対応方針の確認を行うと、防災ヘリは別事案対応中であるため、道警ヘリが対応するとの情報を得る。

13:05
道警ヘリより入電
要救助者情報及び天候情報を求められたため伝達する。
なお、当時の天候は曇り(太陽が薄く目視できる。)・無風

13:16
真狩村消防より入電
陸路で遭難現場までの所要時間を求められたため「約2時間」と返答する。
地元救助隊が陸路で現場まで向かっているとの情報を聴取する。

13:26
道警ヘリより入電
道警ヘリが13:30離陸・13:50現場到着予定との情報を聴取する。

13:50
道警ヘリを目視したため、大きく手を振るとともに、カメラのストロボを使用しこちらの居場所を伝える。
警察官1名がホイストで降下
警察官と接触後、警察官の指示を仰ぎながら要救助者を布担架へ収容する

14:13
要救助者が機内へ収容されたことを確認し、真狩消防の携帯電話へ伝達する。


時刻不明
① 私のザックから保温フィルムを2枚出し、1枚は上半身を上から、1枚は後頭部と雪面の間に敷き保温処置を行う。
② 遭難者の仲間(白人男性5名)と接触する。
③ 遭難者の仲間が鎮痛剤を所持していたため要救助者に与える。なお、要救助者には目視上出血は認められない状況である。
④ 要救助者にチョコレートを与える。
⑤ 別のパーティー(日本人男性3名・カナダ人女性1名)と接触する。
同パーティー内に通訳が可能な者がいたため、通訳を依頼する。



警察官による救出方法の詳細
バッグから袋型の布担架を取り出し、バッグ内のソフトシーネによる固定処置を行う。
バイスタンダーが協力し要救助者を持ち上げ袋型布担架に収容する。
袋型布担架に収容が完了した後、ヘリのホイストを使用し救助者及び要救助者が同時に機内へ収容される。


その他
要救助者の足部に滑走用具は装着されていない状況であったが、左即部にスノーボード用のバインディングが装着されている状況である。

天候回復時の事故現場から、上部の状況
P1010736.jpg
生々しいデブリが、雪崩の威力を想像させる。

救助者からの御意見
今回の事故で非常に有効だった装備品が「北緯・東経の表示ができるGPS」であり、これが無かったら救出は大きく遅延していたことが考えられる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

●今回、この報告を読み、改めて自分の知識の足りなさを思い知らされました。
果たして、自分があの場に遭遇していたとしても、ここまでの適切な処置は出きない。
以前より、ファーストエイドについては、おろそかにしている所があるので、
改めて、勉強しなおしたいと思いました。
●GPSは、以前から欲しいとは思っていましたが、まだ持っておらず、早く買わなくては。

冬山に登るって、改めて大変なんだなぁ、と痛感しています。



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